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飲食店開業までにやること90選 — 12ヶ月前〜当日のチェックリスト

飲食店を初めて開業する方向けに、構想・物件・工事・許認可・雇用・開業当日の準備を4時期・全90項目で整理します。

この記事では、飲食店の開業準備を「12か月前」「6か月前」「3か月前」「開業直前〜当日」の4時期に分けて確認します。 時期は手戻りを減らすための目安で、法定期限ではありません。 物件契約・着工・営業開始の前に、店舗所在地を管轄する行政機関の最新案内を確認してください。

チェックリストの使い方

  1. 現在の時期より前の項目も、未確認ならさかのぼって点検します。
  2. 物件契約や工事発注の前に、保健所・消防署・建築担当へ図面を持参して相談します。
  3. 各項目を「完了」「対象外」「要確認」に分け、対象外にした理由と確認先を記録します。
  4. 制度は地域や営業内容で変わるため、末尾の一次情報と管轄窓口で最終確認します。
時期主な準備項目
開業12か月前構想・事業計画1〜24
開業6か月前物件・設計・行政相談25〜48
開業3か月前工事・許認可・運営準備49〜72
開業直前〜当日最終確認73〜90

開業12か月前:構想・事業計画

  • 1. 開業目的、経営理念、3年後の目標を言葉にする。
  • 2. 調理、接客、店舗運営、経理の経験と不足スキルを棚卸しする。
  • 3. 来店客の年齢、利用目的、時間帯、同行人数を具体化する。
  • 4. 「誰に、何を、なぜ選ばれるか」を一文で定義する。
  • 5. レストラン、カフェ、バー、持ち帰り(テイクアウト)主体など、基本業態を決める。
  • 6. 深夜の酒類提供、酒類の持ち帰り販売、テラス、菓子製造など、付帯業務を洗い出す。
  • 7. 候補商圏の人口、就業者、導線、曜日・時間帯別の通行量を調べる。
  • 8. 競合店を複数回訪れ、価格、客層、回転、混雑、口コミを記録する。
  • 9. 看板商品とメニュー構成案を作る。
  • 10. 主要レシピを試作し、食材を通年調達できるか確認する。
  • 11. 客単価、席数、回転数、営業日から売上モデルを作る。
  • 12. 平日・休日、繁忙期・閑散期を分けて月次売上を試算する。
  • 13. 商品ごとの原価率と、店舗全体の人件費率の目標を決める。
  • 14. 保証金、内装、厨房、備品、広告、許認可を含む開業費を積算する。
  • 15. 赤字期間に耐える運転資金と生活費を確保する。
  • 16. 損益分岐点と、売上が計画比70%だった場合の資金繰りを試算する。
  • 17. 自己資金、融資、出資など、資金調達の方法を決める。
  • 18. 日本政策金融公庫などへ相談し、創業計画書を作って融資を申し込む。追加資料、審査、契約、入金の時期も資金繰りへ反映する。〔A〕
  • 19. 個人事業か法人かを、責任、税務、資金調達、共同経営の観点で決める。
  • 20. 法人の場合は、定款、資本金、設立登記、口座開設の日程を作る。設立日を起点とする税務・社会保険の期限も先にカレンダーへ登録する。〔H・I〕
  • 21. 店名・ロゴについて、商標、ドメイン、SNSアカウントを調べる。〔Q〕
  • 22. 営業内容ごとに「許可・免許・届出・資格者」の一覧を作る。
  • 23. 面積、賃料、設備容量、視認性、法令適合性を物件条件として定義する。
  • 24. 融資、契約、設計、工事、検査、許可を逆算した全体工程表を作る。

開業6か月前:物件・設計・行政相談

  • 25. 候補物件を、曜日と時間帯を変えて調査する。
  • 26. 用途地域、建物用途、用途変更、既存不適格・違法改修の有無を確認する。特殊建築物への用途変更部分が200㎡を超える場合は、原則として建築確認が必要。200㎡以下でも法令への適合義務は残る。〔D〕
  • 27. 賃貸借契約で、飲食営業、火気、看板、深夜営業、テラス利用が認められるか確認する。
  • 28. 確認済証、検査済証、消防設備、過去の改修履歴を専門家と確認する。
  • 29. 電気、ガス、給排水、排水管、冷凍冷蔵能力と増設費を調べる。
  • 30. 排気ダクト、給気、臭気、騒音、近隣住戸への影響を設計に反映する。〔P〕
  • 31. グリース阻集器(グリストラップ)の容量、設置場所、清掃動線を確認する。〔M〕
  • 32. 廃棄物の分別場所、保管場所、収集車までの搬出動線を確保する。
  • 33. 平面図、客席数、熱源、建物全体の用途を持って、所轄消防署へ事前相談する。
  • 34. 工事着手前に、厨房図面を持って保健所へ事前相談する。〔B〕
  • 35. 飲食店営業以外に、菓子製造、そうざい製造、食肉・魚介類販売、ふぐなどの手続が必要か確認する。〔B〕
  • 36. 食品衛生責任者の有資格者を決め、必要なら養成講習を予約する。「食品衛生管理者」と混同しない。〔C〕
  • 37. 床・壁、手洗い、洗浄設備、給湯、照明、換気など、地域の施設基準に沿って設計する。〔B〕
  • 38. 食材、食器、廃棄物、従業員の動線を分け、交差汚染を防ぐ。
  • 39. 冷蔵・冷凍・乾物庫の容量と、温度の記録方法を決める。
  • 40. 防虫防鼠(虫・ネズミ対策)、便所、清掃用具、薬剤、従業員用品の保管場所を設計する。
  • 41. 消火器、警報設備、誘導灯、避難経路、防炎物品の要否を消防署と確認する。注意: 火気設備を使う飲食店は、原則として面積にかかわらず消火器が必要。〔E〕
  • 42. 店舗と建物全体の収容人員を算定し、防火管理者の要否を確認する。注意: 飲食店などは収容人員30人以上が一つの基準だが、複合用途建物では建物全体の判定も必要。〔E〕
  • 43. 看板について、屋外広告物許可、禁止区域、景観基準、管理者要件を確認する。〔J〕
  • 44. 道路へ突出する看板、日よけ、テラスに必要な制度を個別に確認する。〔J〕【内訳】屋外広告物許可/道路占用許可/警察の道路使用許可
  • 45. 全面禁煙を基本にし、喫煙室を設けるなら種類、構造、標識、20歳未満の立入禁止を設計へ反映する。注意: 新規店で一般に設置できる喫煙専用室は飲食不可。加熱式たばこ専用喫煙室は、加熱式たばこに限り飲食できる経過措置。〔L〕
  • 46. 行政相談後の図面で、内装・厨房業者から詳細見積りを取る。
  • 47. 工事の追加費と開業延期を含む予備資金を、資金計画へ反映する。
  • 48. POS、会計、決済、店舗保険、食材仕入先と代替仕入先を選ぶ。

開業3か月前:工事・許認可・運営準備

  • 49. 許認可上の営業可否と資金調達を確認してから、本契約と工事発注を確定する。
  • 50. 地域条例に基づく消防関係の工事届を期限までに出す。東京消防庁管内の「防火対象物工事等計画届出書」は、原則として工事開始7日前まで。〔E〕
  • 51. 承認図面どおりに工事を進め、厨房配置などを変える前に保健所・消防署へ再相談する。
  • 52. 適正容量のグリース阻集器を施工し、清掃できる状態にする。〔M〕
  • 53. 排気、給気、臭気、騒音対策を施工し、実運転で確認する。〔P〕
  • 54. ガス使用中の換気、給気口、機器・ダクト清掃、CO警報器などの安全対策を整える。〔P〕
  • 55. 消火器、警報設備、誘導灯、防炎物品を設置し、避難経路を確保する。〔E〕
  • 56. 営業許可申請書、図面、手数料、食品衛生責任者の資格証明などを保健所へ提出する。〔B〕
  • 57. 保健所の施設検査を受け、不備を直す。営業許可を得る前には営業を始めない。〔B〕
  • 58. HACCPに沿って、衛生上の危険を把握し、管理方法を決め、実施結果を記録・見直す。小規模飲食店は、厚生労働省確認済みの手引書を利用できる。〔C〕
  • 59. 受け入れ、冷蔵・冷凍温度、交差汚染、洗浄消毒、便所、従業員の健康、手洗いなどの記録様式を準備する。〔C〕
  • 60. 加熱、冷却、保温、提供までの管理基準と、基準を外れた場合の対応をレシピへ組み込む。
  • 61. 下痢・嘔吐などの申告、就業制限、服装、手洗いに関する従業員ルールを作る。
  • 62. 清掃、虫・ネズミ対策、グリース阻集器、排気ダクト、廃棄物について、頻度と担当者を決める。
  • 63. アレルゲン一覧、仕入変更時の更新手順、顧客への回答ルール、事故時の対応を整える。注意: メニューでの任意表示と、容器包装された加工食品の法定表示は分け、表示する内容は実態と一致させる。〔N〕
  • 64. 包装済みの持ち帰り品・店頭販売品は、製造・販売形態ごとに、名称、原材料、アレルゲン、期限、保存方法などの表示要否を確認する。同じ店舗で製造し直接販売する場合も、管轄窓口へ確認する。〔N〕
  • 65. 店内で飲ませる酒類と、未開封品などを持ち帰り販売する酒類を区別する。店内飲用だけなら、通常は酒類販売業免許が不要。〔G〕
  • 66. 酒類を持ち帰り用に販売する場合は、営業所ごとの酒類小売業免許を税務署へ申請する。免許取得後は、酒類販売管理者の要否も確認する。〔G〕
  • 67. 深夜営業、接待、遊興の有無を分けて警察へ確認する。注意: 常態として主食を提供する営業は深夜酒類提供の届出対象外となる場合がある。〔F〕【内訳】午前0時〜6時の酒類提供は原則10日前までに届出/接待を伴う営業は風俗営業許可/深夜に遊興と酒類提供を行う営業は特定遊興飲食店営業許可
  • 68. テラス、キッチンカー、催事出店、ケータリングなどを行う場合は、通常店舗とは別の地域手続を確認する。
  • 69. 事業系一般廃棄物と産業廃棄物を分け、地域で許可された収集運搬業者などと契約する。食品廃棄物の定期報告は、原則として前年度発生量100トン以上の事業者が対象。〔K〕
  • 70. 求人票と実際の労働条件を一致させ、賃金、休憩、休日、深夜割増を踏まえたシフトを作る。採用日・初回雇用日を起点とする届出期限もカレンダーへ登録する。〔I〕
  • 71. 雇用人数、労働時間、法人・個人の別に、労働保険、雇用保険、社会保険、源泉所得税の対象を整理する。注意: 期限の起算日は開業日ではなく、設立日・採用日・保険関係成立日などで変わる。〔I・H〕
  • 72. 地図、予約サイト、SNS、店頭告知の掲載先を決め、写真、紹介文、営業時間、アクセス、公開日を準備する。

開業直前〜当日:最終確認

  • 73. 飲食店営業許可証を受け取り、地域の指示に従って掲示・保管する。食品衛生責任者の表示方法も確認する。〔B・C〕
  • 74. 消防の使用開始届を地域の期限までに出す。東京消防庁管内の「防火対象物使用開始届出書」は、原則として使用開始7日前まで。〔E〕
  • 75. 該当する場合は、防火管理者を選任・届出し、消防計画を作って届け出る。〔E〕
  • 76. 消防検査の指摘を直し、消火器、警報、誘導灯、避難経路、収容人員を最終確認する。
  • 77. 税務手続の起算日を確認し、期限をカレンダーへ登録する。注意: すべてが開業日基準ではない。〔H〕【内訳】2026年1月1日以後に開業した個人の開業届は、その年分の所得税の確定申告期限まで/青色申告承認申請は、通常、1月16日以後の開業なら開業日から2か月以内/法人設立届は原則として設立後2か月以内
  • 78. 採用者へ労働条件通知書を渡し、給与、緊急連絡先、保険資格の確認書類を回収する。〔I〕
  • 79. 初めて労働者を雇った日を基に、労働保険の期限を確認する。注意: アルバイト1人でも労災保険の対象。〔I〕【内訳】保険関係成立届は成立日の翌日から10日以内/概算保険料申告は原則として成立日の翌日から50日以内
  • 80. 雇用保険の対象者と期限を確認する。注意: 一般に、週20時間以上かつ31日以上の雇用見込みが基準。〔I〕【内訳】適用事業所設置届は設置日の翌日から10日以内/資格取得届は資格取得日の属する月の翌月10日まで
  • 81. 社会保険の強制・任意適用を確認し、対象の届出を行う。注意: 法人は原則強制適用。個人経営の飲食サービス業は、従業員数だけでは強制適用にならない場合がある。〔I〕【内訳】新規適用届/対象者の資格取得届(いずれも原則として事実発生から5日以内)
  • 82. 対象従業員の雇入時健康診断を雇い入れ時に手配し、衛生、HACCP、火災、アレルギー対応を勤務開始前までに全員へ教育する。〔I〕
  • 83. 禁煙または設置した喫煙室の標識を掲示し、20歳未満を喫煙エリアへ立ち入らせない。注意: 新規店は既存小規模店向けの「喫煙可能室」を利用できない。喫煙専用室は飲食不可、加熱式たばこ専用喫煙室は条件付きで飲食可。〔L〕
  • 84. 店頭、Web、メニュー、POS、包装の営業時間、税込総額、店内・持ち帰りの税率、アレルゲン、産地・原材料、酒類年齢確認表示を突き合わせる。原材料・産地などを表示する場合は実態と一致させる。〔N・O〕
  • 85. 模擬納品を行い、数量、温度、ロット、期限、先入先出、受け入れ拒否の手順を確認する。
  • 86. アレルギー、異物、火災、ガス、負傷、停電、避難を想定した模擬営業を行う。
  • 87. 現金、カード、返金、領収書、差額、通信障害時のPOS運用をテストする。
  • 88. 地図、予約サイト、SNS、電話、営業時間、アクセス情報を公開し、端末を変えて誤記・リンク・予約動線を確認する。近隣と家主には、臭気・騒音・廃棄物の連絡窓口を伝える。
  • 89. プレオープンで、提供時間、行列、温度記録、廃棄量、欠品、人件費、現金差額を測定し、改善する。
  • 90. 開業当日の確認と記録を行う。【内訳】開店前: 許可証、従業員の健康、温度、ガス・換気、消防設備、避難経路、役割分担/閉店後: 衛生記録、売上、廃棄、事故・ヒヤリハット

制度を混同しないための8つの区別

  • 飲食店営業は「営業許可」。食品衛生責任者は、各許可施設に置く担当者であり、営業許可そのものではありません。
  • HACCPは認証取得ではなく、衛生管理を計画し、実施・記録・見直しする仕組みです。
  • 深夜の酒類提供は原則「届出」。接待を伴う営業は風俗営業許可、深夜に遊興と酒類提供を行う営業は特定遊興飲食店営業許可です。
  • 店内で飲ませる酒類には、通常、酒類販売業免許は不要。持ち帰り販売には原則として免許が必要です。
  • 防火管理者は、一定条件で選任・届出と消防計画が必要です。
  • 屋外広告物許可、道路占用許可、道路使用許可は、それぞれ別の制度です。
  • 廃棄物は排出事業者の責任で適正に処理し、地域の分別・収集ルールに従います。
  • 新規店では既存小規模店向けの喫煙可能室を利用できません。喫煙専用室は飲食不可、加熱式たばこ専用喫煙室は条件付きで飲食できます。

一次情報と確認先

制度内容は2026年7月21日に確認しました。URLや制度は変更されることがあるため、申請前に管轄窓口へ確認してください。

この記事と配布PDFは、一般的な準備の流れを整理した情報提供資料です。法務、税務、労務、建築、消防、食品衛生などの専門的助言ではありません。営業内容、物件、地域、従業員数によって必要な手続は異なります。

よくある質問

何から準備を始めればよいですか?

開業目的と客層を言葉にし、売上・開業費・運転資金を試算してから、物件条件と必要な手続を整理します。候補物件が見つかったら、契約前に図面を持って保健所・消防署・建築担当へ相談してください。

記事のチェックリストだけで開業できますか?

チェックリストは確認漏れを減らす補助資料です。契約、申請、設備、衛生、税務、雇用には個別条件があるため、公式情報と管轄窓口、必要に応じて有資格の専門家へ確認してください。

開業時期が近い場合は、どこから確認すればよいですか?

営業許可、工事・消防手続、物件の法令適合、資金繰りから優先します。現在の時期より前の項目も飛ばさず、未確認・対象外・完了に分けて、未確認項目の相談先と期限を決めてください。

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